下手な値引きよりポイントを活用

じゃらんや楽天において、ユーザが今何を求めているのか?

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予約者のおよそ8割以上がポイントをためたり、ポイントを使って宿泊をしているデータがあります。 かつてのじゃらんの場合は、5%還元でしたが、この5%の原価は仮想ポイントでポイントを行使された施設の全額負担という仕組みでした。 これは内部的な話ですが、施設によってポイントが使える宿と使えない宿がある事はご存じでしょうか? 実は、じゃらんでは無料宿泊券が利用できるか、ポイント割引をするかあるいは両方するか? という選択ができる仕組みがあります。

無料宿泊券は、2名1室の標準料金の100泊分に1回拠出というルールがあり、利用者は施設が指定したポイントで交換というルールです。 また、宿泊券を発券してから半年以内に利用しなければ失効という仕組みです。 私の取引先においては、ポイント割引は一切させず、必ず宿泊券方式を選ばせるようにしました。 一人5000円で2人分だと10000ポイントが必要な場合、10000円で、500ポイントです。 10000ポイントためるには最低でも、利用者は20万円は使わないといけません。 施設側は、売り上げが100万円に1回出せばすむので、実に1%の負担です。

また、利用者が必ず選ぶとは限らないため、宿泊券の発券義務があるにも関わらず、ほとんど発行されていないケースを見受けました。 一方で、料金の10%までポイントを使う事ができる場合、5000円のビジネスホテルなら500ポイントをそのまま使えるため、利益は相当圧迫します。 割り引かれた4500円分に対し、さらに販売手数料もかかる仕組み故、不評だった事は言うまでもありません。

じゃらんの担当者の話は「ポイント割引を入れた方が予約率は上がる」という言葉に嘘はありません。 むろんその通りです。しかし、じゃらんポイントはこういった背景がありルールをよく読めばわかるのですが、知らず知らずのうちにポイント割引をした施設が多かったのは事実です。 そういった意見やライバルの楽天がポイントビジネスで先行していた事情もあり、じゃらんもついに、ポイントプログラムを改定。

これまで5%還元+10%割引というルールから、2%〜10%還元+全額ポイント割引対応と楽天と同じような条件にしました。 施設側については、2%〜10%のポイントは供託という形で徴収されます。 ただ、一律に徴収ではなく、ポイント会員が予約した場合はポイント分を徴収する仕組みに改められました。 ポイントをうまく活用せよというのは 今回のルール改定により、これまで全額施設負担だったポイント割引は、ポイント補填に代わり 利用者がポイントを行使した場合は、いったんポイント分は施設側が立て替えて、後日ポイント分をじゃらん側より振り込むという仕組みに改められました。

そのため、これまで5%だったポイントが2%にさがったものの、この2%の原資はじゃらん側でなく、施設側の最低自己負担の扱いです。 そこで、昨今のポイント施策はいろいろ考え方はありますが ポイントを増量するのは一見損しているように見えますが、下手な割引をするよりもポイントで利用者に間接的とはいえ還元する仕組みは 予約の際、大きな利点といえます。

特に近隣に旅館やホテルが密集し、同じような料金で競争しなければいけない時は、思い切ってポイントを加算し、集客をあげるのは有効な手立てです。 ポイントを増量しなくてもよいプランはそのまま据え置き、目玉になるプランや利益率がよいプランについては、閑散期にポイントを加算するようにし、通常期は標準にする。 こういった対策だけでも十分効果はあります。

値引きよりポイントを多用する考え方は、下手に期間限定プランを作り料金を下げるくらいならポイントで調整する方式は施策として打ちやすい部分もあります。 この施策については、じゃらん・楽天どちらにもいえる話ですが、特に気をつけないと行けないのが 航空券パッケージのプランの場合、ポイントに関する記載は、制限を受けます。 楽天は1〜10%ですが、じゃらんの場合は2%・4%・6%・8%・10%という方式で、じゃらんでポイント10%をポイント10倍と言う書き方はNGである。

指示がある事を聞きます。 ユーザにしてみれば、10%も10倍も同じ響きですが、正しくは2%の5倍=10%という事を言いたいようです。 表現についていろいろありますが、むしろポイントの事は触れない方が後々面倒にならないので私は、ポイントを変更するたびにプラン内容を書き換えるのは非効率なので 原則としてポイントアップの話は一切触れない。

これは、手抜きなどでなく、プランリストでポイントアップの表記が自動的に出るため、無理に書く必要はないのです。 ポイントアップの使い方は、手順を間違えると全く効果はあがりません。 いわゆる値引戦略の一つですが、他社と比較した際に大きく差をつけるにはこういった対策は効果的です。