有資格の私からみた無資格教員について思うこと

最近、学校教育の諸問題を報道される中、教員免許状を偽造したり、失効してそのまま教壇に立つことで生徒たちがそのとばっちりを受ける話。

そもそも、教員免許状がなぜあるのか?という話題があちこちで書かれているので、実際の経験と資格取得に至った経緯を経験者として書いてみます。

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パソコン屋をやっている私が、教員免許を持っているというと、意外な反応よりも、尊敬の目でみられることが多い。今でも、教諭という職業にはどこか神聖なものがあると思います。

学生時代も、とれる資格だからとっておけという気持ちはなく、純粋?に教員になれば、将来安泰とおもって免許取得にいそしんだことを覚えています。教員免許を取得するのは、単位こそある程度必要ですが、きちんとした授業をうけて所定の研修を経たらもれなく授与されるものです。

きちんとした授業とは、「免許授与機関(大学)」が定めた科目を受講。単位を一つでも落とすと、その時点で免許はおりないという厳しいルールがあります。必須科目に加えて専門科目を一定単位取得する必要があり、こちらも分野別に10〜20単位を取得する必要があります。つまり、自分の好き嫌いで科目は選べず、ある程度制限があります。もちろん、得意分野の科目を最大限選択して、必須科目を最低限取得することは反則ではなく、むしろ推奨されていることです。

教員免許状における、教員養成の狙いは

「教員としての考え方・基本姿勢」

「専門科目に関する基本知識」

「教科指導に関する技術」

「生徒指導に関する知識」※工業高校向けに「職業指導に関する知識」も含まれます。

という部分があります。

特に、教科指導などについては資格等ではなく技術ですから免許如何にかかわらず可能です。

しかし、生徒指導などについては一定の養成がなければ難しい。これは短期間の講義でなんとかなるとは到底おもえません。

 

今回、問題になっているのが資格を持たず教壇に立ち単位が無効になった事案。

不祥事をおこして免許自体が失効した人は論外ですが、そもそも教員免許を持たずとして教壇に立っている人間については、採用されるだけの実力があるのですから採用後に補習や特別免許状などの制度を利用して公的に認定してもらうべきだった。と私は思います。

もちろん、単位無効になったことよりも、無資格教員を採用した教育委員会や学校側の責任はないのか?といいたいのです。

せめて、今回の分については、学校側の責任であるので生徒についてはなんら落ち度はない。指導教員については、相応の処分は必要としつつも過失側の特別裁量で不利にならないようにしてほしいと思います。

私自身は、有資格故このようなことは、まずありませんが、採用後にまず教員免許更新講習を受講しなければ行けません。講習をうけなければ、免許失効ではなく免許停止の状態になるのです。旧制度の教員免許状には有効期限はありませんが、現制度の教員免許状には有効期限が記載されていると聞きます。

今後は、こういった問題から一元的に免許管理を国で行うように進むと思います。

私自身は、医師免許のように教員免許データベースで取得年月と科目・学校種別がわかるようにして、一般向けには名前と学校区分(小学校・中学校・高等学校)と性別で行い、学校向けには教員免許状番号(例えば、長崎県であれば、42-15-11-9999-xx の12ケタ)を免許状に記載して、その記載情報を採用側で確認できれば一番いいとおもうのです。

検証する際

  • 生年月日
  • 氏名
  • 免許状番号

からすぐわかるように

このような仕様になるといいと思うのです。

  • 都道府県コード01から47まで
  • 初回取得年度 西暦の下2ケタ
  • 区分 1種2種などの区分に、学校種別
  • 通し番号
  • チェックデジット

として、記載があれば迷わず対応できるのではないでしょうか。

失効の有無よりも年間に教員免許を取得する人数は全国で12万人です。

これを都道府県別に割っても平均2500人ですから、

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/002/gijiroku/08061810/011/001.pdf

桁数などは4ケタ(10000人)で十分足りることでしょう。

 

つまり、制度上の問題と切り捨てず、本当にこの人が教員なの?という疑問を持っているのは私だけじゃないはずです。

医師データベース、弁護士などの士業データベースがあるように、教員データベースがあってもいいと私は思います。

 

かなり脱線しましたが、採用段階での不祥事を見破るのはきわめて難しいことでしょう。

教員免許状の写しを履歴書に添付するより、教員データベースの結果+免許状の写しまたは教育委員会名の証明書を添付するなど課題は多いと思います。

課題山積、いろいろ気になることはありますが、教員に求められていることは

「清廉潔白」より「公正」と思うのです。

 

免許状を取得できなかった人、失効した人をまとめて無資格教員といいましょう。

冒頭にも書きましたが、不祥事で失効した人は自業自得ですが、免許状を取得できなかった人は、なぜ採用試験に合格するだけの実力があるのに免許を取得できなかったの?といいたいのです。

免許を持っていて、教員志望だったが採用されなかった自分からみれば本当、羨望のまなざしでみてしまいます。

時々、今でもそういう話が出るときは「声がかかればいつでも行きます」とあちこちで売り込んでますが、未だにそういう話はありません。

 

一般科目を教えるだけなら、教員免許は不要で塾講師も教員免許を必須とはしておりません。

学校とは、読み書きを教えることだけでなく、人間形成が一番の目的といわれています。

私は無免許教員の撲滅よりも、採用手順を見直す方がよっぽど先ではないでしょうか?

教員の使い捨て感覚が拭えないこのご時世、もう少しなんとかならないものか気になるところです。