パソコン屋という職業が認知されるまで

パソコン屋の仕事が社会的に認知されるようになって早数年。

創業が2001年だから、それから10数年の月日が過ぎてしまいました。

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このところ、ぼくのところに来る仕事は、実に簡単な内容

(守秘義務があるんで、多少かみ砕いて書きます)

  • 事例1)モデム機器設置
  • 事例2)LANケーブル配達
  • 事例3)パソコン組み立て
  • 事例4)データ復旧診断

普段の内容は

モデム機器設定は、約10分~15分で完了(機器設定)

LANケーブル配達は、物品と動作確認で約5分(物品配達)

パソコン組み立てに至っては、注文こそ数日かかるものの、時間は30分程度(物品発注)

データ復旧診断については、所見して概算をはじき、専門機関へ引継(紹介状作成)

 

と言うもので、どれも簡単なものですが、物品配達については、少なくとも在庫を抱えている必要があります。

機器設置については、事前知識無くとも「慣例」に基づいて作業を行えば可能な為、特段マニュアルは必要ありません。

ケーブル配達についても、市販品で対応するかフリーケーブルから長さを測って設定するかの違いで、こちらもおおよその違いはありません。
(私自身、ケーブルの工事を実施するため、カテゴリ5のケーブルは作成可能です)

 

このところ、多い案件は

  • 「ハードディスク交換」
  • 「パソコン設定」
  • 「故障診断」
  • 「代打サポート」

 

です。

新規:リピートの比率は3:7で

ほぼリピートのお客さん中心で対応しています。

パソコン屋としての本分は、機器設定が基本です。

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私のように、ろくに営業もせず、ただパソコンの前でカチカチキーボードをたたき、電話でやりとりし、メールを送るだけで仕事になるならそれほど苦労もありません。

ただ、私は仕事を選べるほど裕福な生活をしていないので、依頼が入ればすぐに現地へ行く様にしています。

 

事務所にいるときなら一時間程度でほぼ長崎市内全域(半径30km以内)対応できます。

 

かつての事を思い出すとこっぱずかしいですが、最初の頃は、全然お金がなく、移動手段はバスと電車の乗り継ぎで過ごしていました。

 

仕事を始めて4年目にようやく、マイカーを購入という生活ですから、いかにじり貧だったかわかるエピソードです。

 

それから、パソコンサポートの仕事を外注で受注できる様になりましたが、すでに2004年頃にはサポートの案件もほぼ下火で、かつてのような1件1万円で受注出来るバブリーな時代は終わっていました。

この頃にはすでに交通費込み1件2000円~3000円程度の案件がざらで、設定して、レポート作って、入金までのサイトが45~60日

仕事をとればとるほど、じり貧の生活だったのです。

それでも、無ければ食べていけないと勝手に思い込んで生活していた事を今でも思い出します。

 

その後、2006年頃からホームページ関連の業務が少し増えて、パソコンサポートから少し遠のいていました。

知人らとの話でもパソコンサポートは、採算がとれないから撤退も考えるべきだと忠告を受けていました。

 

この点は、2014年現在の今でも正直あります。

パソコンサポートだけで食べていけるほど、世の中甘くありません。

マイカーを手に入れてから固定費を下げるべく、郊外へ拠点を移動し、現在に至ります。

 

私にとって、仕事観が変わった出来事がありました。

 

ある、旅行ポータルサイトの営業スタッフとして2ヶ月ほど受託していた頃、オープン間近にも関わらず、システムの不具合が続出し、会社にいくつか進言した事を今でも思い出します。そのときの経験は、パソコン屋として、また業務受託者の立場をまじまじと見せつけられる結果になりました。(結果的に仕事を干されました)

この件について、とある弁護士に相談しましたが、まともに取り合ってもらえませんでした。これ以来、弁護士が嫌いになりました。(今後もお世話になりたくないのが本音です)

 

その後は、パソコンサポートよりも、企業コンサルに力を入れ業務の一環として、パソコンサポート・ホームページ制作を手がけるようになりました。

 

2010年頃までは、ホームページ制作が圧倒的に多かったのが、この頃を境にパソコンサポートが増えてきました。

 

 

パソコン屋として認知されるようになったのは、電話帳掲載を展開しはじめた時、やっぱり電話帳をみて連絡する人がいるんだ。

 

と思うばかりです。

 

パソコンサポートで連絡してくるのが一般ユーザばかりかとおもきや、実際は同業者である事が多いのもまた事実です。

 

企業間取引になる関係上、緊急の対応が殆どで、多い時には一週間に2回ほど対応しています。

元々の作業案件自体が少ないので、稼働日平均1件ですから、緊急の案件がいきなり入ってもほぼその日のうちに対応出来ます。

ただ、業務がネット関連、コンサルティング、システム開発と業務が多岐にわたる事から、パソコンサポートだけを行っている訳じゃ無いのも事実です。

 

日常業務はデスクワーク故、納期に間に合う事を前提に作業しています。

 

しかし、パソコンサポートはその日のうちに対応する事が基本ですから、「対応が遅い=他社へ案件をとられる」のです。

 

パソコンサポートの業務を他の案件より優先的に行うのは、時間との勝負であるため、自社の案件を延期させても行う様にしています。

いずれ、スタッフを増やしていければこの点も自分の計画をずらさずに遂行出来そうですが、今は予定の組み替えで対応しています。

 

パソコン屋としての職業が認知されてきたのは、15年近く仕事をして近頃ようやくです。

 

それだけ、自分がどんな仕事をしているかまだ伝わっていない。のが現実だからです。

 

相手に自分の仕事を伝える事は「ブランディング」なんて言う言い方をしますが、

「パソコン屋」という標榜しているそもそもの理由は

「電気屋」とか「水道屋」とかとの並びに「パソコン屋」というだけであります。

 

私が目指す形は、「町のパソコン屋」

機械が壊れたら持ち込んで見てもらう、「修理屋」みたいな感覚。

持ち込みが出来ない人は、訪問して対応だってする。

自分だけで対応が出来ない時は、プロジェクトチームを作って問題解決に取り組む。

 

自分が目指す、パソコン屋の形は、「的確な診断力」と、適正な「料金」をしっかりもらえる事。

 

そのためには、「電気屋」「水道屋」「クルマ屋」「時計屋」と並んで「パソコン屋」として、一つのジャンルに確立できる様、これから20年・30年かけてコツコツやろうというのが私の目標です。

パソコン屋の仕事は、高い法令遵守と的確な診断力が求められます。

パソコン屋の地位はまだまだ低いのが現状です。

パソコンの修理に関する専門的資格も曖昧で、無資格・無免許の為、何ら罰則もありません。

 

この仕事だけで食べていける様にするには、まずはお得意様を作る事

 

新規を100件獲得するより、リピーターを10件作る方がずっと経営上、安定します。

 

損得抜きで、お客様の利益を第一に考える。

自分の利益はいずれ自分に還ってくる。

 

企業の利益を追求すると、結局潰される。

 

大きくは稼げないにしても、小さくしっかり稼ぐほうが自分の性にあっているようです。