回顧録~ぼくが量販店をやめる事になった理由とパソコンサポートにかける熱意

人間正直者が馬鹿を見る
そんな社会はだめだと言うが、実際正直者が馬鹿を見ないためにはどうするか?
誰かが犠牲になる必要がある。
ボクはあえて嘘をついた。

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ぼくは仕事に取り組む時は、準備8割、実践2割と考える。

準備の段階で不備も問題点も当然把握しているが、正直にそれを伝える事はマイナスだ。
だから、馬鹿のフリをする。

 

今回、ある外注業務を受けたのだが、明らかにおかしい事は気づいていた。

別に機械が故障しているとかしていないではなく、何となくである。

私はパソコンの故障診断をするとき、外見で「故障」しているか「正常」かを判断する指針を持っている。

それは、自分の中にあるルールに基づいている
医者が死亡確認をするのと同じで、私もパソコン屋としての診断手順がある

1 外見の破損はないか?
2 電源ははいるか?
3 機械の異音はないか?
4 焦げたにおいはしないか?
5 ネジははずれていないか?

これのうちどれか一つ該当すると、確実に何らかの故障や障害が見つかる。
逆に、これらが無ければ故障や障害が見つかる事はまず無い。

これは、パソコンに限らずすべての機械において共通であり
私は「機械にも意思」があると考える。

そのため、分相応な状態で保管されていた機械は経験上、物品不足や予想しない故障をする事がある。

だから、機械の手入れは怠らない。
今回、元請けの不備であるにも関わらず、私が、菓子折と謝罪をした。
なぜする必要があったのか?

 

私は、現場で元請けと2時間以上電話でバトルをしている。
その一部始終をクライアントは聞いている。
私は少なくとも現場の彼らには迷惑をかけている。
それで問題が解決したらよかったが、結果的に解決せず、私は仕事から下ろされた。

つまり、事実上の解任であり、業務終了である。
また、予定していた仕事も結果的にすべてキャンセルになった。

お客様のためは、時として出来ないと突っぱねないといけない事情がある。

これは、量販店時代の時も店長からしかられた。

「たった10万のパソコンを買った客に、5時間も接客するな!」
「買ったら、すぐ次の客を接客する様に」

と言うのは、今思えば思い出す事が多い。

私はいつもこの事を店長に反論し、突っぱねていた。
電話も率先してとり、応対もした。

そうしているうちに、結局、ある人物からクレームを店長宛に入れられ、結果的にクビになった。

ぼくが今の仕事を始めるときは、ある意味、無一文に近い状態で放り出された訳である。

今から12年ほど前の話で、暑い夏の日だったと思う。
それから、パソコンサポートを受けるときは、お客さんが満足するまで損得抜きで、とことんやろう。と決めた。

きっと、良いと思ってくれたら次も頼んでくれるはず。と信じて。

その後、パソコンサポートで食べていこうと考えたりして、長崎市のベンチャー事務所の入居審査で「長崎のパソコンサポートとポータルサイトで売上を上げたい」と声高らかにプレゼンしたが、審査員から「そんなんじゃ儲かりませんよ」と言われ、あえなく落選。

それから、いろんな外注業務を受けた。

1件、交通費込みの2500円で佐世保や松浦まで、ヤフーBBの設定に行き、今回のように備品のカードが不良で自分のカードを代替でプレゼントしたり、今思えば馬鹿である。
新車で買ったvitzも結局9年で20万キロ、9年目の車検を目前にして廃車にした。

※長崎市から佐世保市まで約60km、松浦市は75km~80kmになる。(片道計算)
そんなあほな事ばかりをやっているパソコンサポートはぼくにとっては、出来て当たり前。出来なければ相応の単価をもらう資格はない。と常々考えている。
一時期はホームページの仕事も多かったが、近年は解約が相次ぎ、今は殆ど無い。
パソコンサポートに関しては、むしろ漸増傾向にある。

割合は、新規1に対してリピート5であり、圧倒的にリピーターの方である。
また、電話で解決する案件は、原則電話で対応し、お金は取らない。
これは、一見、リピータ関係無くであり、出し渋りはしない。
なぜなら「電話で解決する案件でお金を取る事はお客さんにとって納得出来ないから」

 

だから、基本的にパソコンサポートで徴収するお金は5000円が基本。

それ以上の場合は、案件が複数になったり、再発リスク度合いが高く、作業時間がかかるケースなどは当然加算対象だが、殆どが1時間以内に終わるし、それであってもとらない。

パソコンサポートはそれで良い。

なぜなら、パソコンサポートが高いと思うのは、「いくらかかるか?」という事だから。

 

ぼくはパソコンサポートが好きではなく、人の喜ぶ顔を見るのが好きであり、その実現をするために「パソコンサポート」をやっている。

 

いつも喜んでお金をくれるお客様がすごくうれしい。

 

しかし、解決出来ないにも関わらず、交通費だけでもと渡してくれるお客さんもいる。

そういう方には後日、菓子折を持ってご挨拶に行く。

 

ぼくがこの仕事にかけているのは、プロとしての誇りである。

 

中途半端にして、相手に迷惑をかける行為は絶対許さない。

私はそういった元請けと徹底的にやり合ってきた。

 

そのために、パソコンサポートに限らずすべてをゼロベースで見直した。

 

>備品の見直し

  • 名刺はこれまでパソコンで作っていた物をすべてオフセット印刷に切り替えた。

 

>専用プリンタの本格導入

  • 印刷物は長らく、インクジェットプリンタだったがこちらもすべてレーザプリンタへ
  • 現在はカラータイプも導入し、バリエーションを増やした。

 

>人件費・固定費の削減

  • 開業から約5年近くの間、市内繁華街に事務所を構えていたのを自宅兼事務所として利用出来そうな場所に移転。固定費を最盛期の3割まで削減
  • 電話回線を長らくISDNだったものをアナログ回線
  • 光回線からADSLへ
  • 携帯電話は最小限に

 

>サービスの向上に向けたレポート用紙の整備

作業カルテ制度で過去の履歴をしっかり記録、同時に領収証機能ももたせ、別紙にも対応

 

>書面のデジタル化+クラウド化へ

書面の控えをすべて、電子化に向け書面を整備。

 

>送り状のフルデジタル化

佐川急便と2006年に提携し、印字伝票におけるフルデジタル化を実現。

1つの荷物から大量の荷物の発送に対応。専用プリンタを準備した

 

>キャッシュレス化

後納郵便をはじめとした、客観的な信用力

支払はクレジットでなく、デビットを使う事で資金の流れを把握しやすくなった。

 

 

悔しい事が多々ある。

仕事にあぶれ、干された事もかなりある。

悔しくて、何度も何度も涙を流した。

 

今でも、こういうことがあると、夜はばからず泣いている。

なぜもっと早くこの事実に気づき、対応出来なかったかと思う。

 

仕事の完成度にこだわるのは、お客様のためでなく自分のため。

 

なぜ自分のためか?

 

自分が納得のいく仕事をしっかり、ていねいに最後までこなす。

どこかで手を抜くと結局、クレームになりマイナスになる。

 

クレームが1件でると3件分の売上が無くなる。

 

ぼくは常に、完璧をめざし100%であって初めて報酬を請求する権利があると思う。

 

結果を残せないやつに払うお金は、残念ながらない。

 

長崎の土地柄、結果を出さないやつにはお金を出す事はなく、むしろお金を払う事になる。それくらい厳しい町である。

ただ、しっかり結果を残せるなら、いくらでも出す。これも長崎の町の特色かもしれない。

 

パソコンサポートに関しては、自分の全神経をもってガチンコでやっている。

まだまだ、足りないのは精神の鍛錬である。

 

どんな辛い事があっても、笑い続けられるように

 

最後に

「どん底の時こそ、腹の底から笑え」by NAGANO

まだこの方の域には達していない。