ADSLは本当にもうすぐ使えなくなるのか?真相はいかほどに?

ADSL回線が本当に使えなくなるのか?

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ADSLモデム(NTT製)

 

そういう営業電話で光回線への勧誘が多いと言いますが、真相はいかほどに?

 

実は正しいんです。

 

でもそんな発表もないし、使えなくなるわけないじゃないか?

 

そう思われるのは無理もありません。

 

実はNTTではこういう記事が発表されています。

通信回線のマイグレーション(移行)計画案(NTT東西)

 

この中で、12ページに、このような事を計画しています。

https   www.ntt-east.co.jp release 1011 pdf 101102a_1

 

 

この記事では、PSTN(公衆交換電話網:Public Switched Telephone Network)と呼ばれ、いわゆるアナログ電話回線は、このPSTNを指します。

この設備の更改をこれまでNTTは取り組んでいたものの、光回線への設備へ振り替えていく事を2020年から順次行いたい考えを持っています。

設備の寿命は2025年(平成37年)頃と言われており、後10年弱で全世帯を光回線等へ移行したい考えを持っています。

しかし、NTTとしては次のような問題も抱えています。

マイグレーション計画に関するNTTの考え(NTT持株)

www.ntt.co.jp topics ict_tm pdf ict_tm20100831

つまり、2025年に耐用年数が仮に発生しても、本当にこの問題が解消できるのか?と言う難題を抱えています。

2025年以降もADSLが使えるようになるのかどうかが一つの指針とみています。

 

その中で、2014年現在、対応の可否を問われる部分として

既存のアナログ回線に相当する通信サービスは、ひかり電話などのサービスでエンドユーザの利便性は担保されています。

 

既存回線からの移行でISDN回線の取り扱いはNTTの法人担当者と同行営業した際、移行は半分しか成功せず、成功したうちの一部は既存設備の改修に追加費用が発生しています。(5~10万)

また、移行しなかったユーザは通信設備を根本から取り替えるしか手立てが無く、こちらの場合であれば50万~100万円以上の設備投資が必要という試算が出ています。

結果的に光回線を先行導入し設備だけ先に構築させてもらい、しかるべき時期が来たときに刷新できるように説明し合意に至った訳です。

もう一つ移行できなかった理由があります。

これは、国の防災計画に基づいた条件を満たせない事を理由に挙げています。

通信回線はアナログ回線しか使えず、同等回線である「ISDNおよびひかり電話」は設備条件の対象外となっているのです。

なぜこの回線が不可であるか?

理由は、火災の際、電気系統がダウンし通信ができない事を理由に挙げています。

アナログ回線の場合、通信回線の電源を交換局から供給される関係上、電源設備が仮にダウンしても通信回線が担保される事が大きな理由としています。

私は、ほかにも方法があってしかりと思うのが、防災用の回線を他の電話回線に置き換える事はだめか?と思うのです。技術的には可能なはずですが、まだ防災用のシステムの構築が遅れているのが一つの要因です。

総務省の防災に関する指針

総務省|安全・信頼性の向上|緊急通報の機能 (1)

 

技術的に可能と思うのが、防災専用の携帯回線システムを構築し、通話料等も回線維持費の名目で月額1000円で、通常時は電源から供給されるが、充電池込みで考えれば十分マイグレーションとして活用できるはずです。

災害時における通信回線が絶対とは言いませんし、携帯回線が適任となれば、これまで設備上配備が難しかった箇所への設置工事が可能になり、通信手段として可能と考えます。

 

一般通話の回線として考えるより、非常通報専用の携帯回線装置を国が認可し、電話回線はSIMカードで携帯電話各社がおのおの販売する方法をとれば、月額500円で販売しても十分採算はとれるはずです。

防災や警察などの通報専用回線で契約時に設置先情報を登録、設置場所にもGPS発信機能を搭載する形でおけばNTTの問題と防災設備の簡素化が図られると考えます。

 

設備の簡素化がはかれれば極端な話、各部屋に防災装置をつける事も可能になるし、個人宅に設置も容易になるはずです。

設置に関する要件も免許不要でできるようにある程度のパッケージングもすすめればと考えます。

 

 

結論

2025年までに移行ができて、ADSLが無くなるのか?と言う答えは、残念ながら無いと考えます。

しかし、現状の設備を維持しつつ、光回線化へするならば

  • 宅内は「メタル回線でアナログ回線と互換を持たせる」
  • 屋外の端末は「すべて光ファイバーに移行」

と言う変則利用があって良いと思うからです。

ADSLの技術的な仕様に互換性を持たせるなら、極端な話「ADSLの伝送損失が0」になるので、通信回線はADSLの端末を使っても回線速度は見込めます。

 

ここで書いた事は、私案でありこういったことが可能という根拠はありません。逆にこういったことができない限り、全世帯の光回線化は不可能ともいえます。

メタル回線の全廃は物理的に不可能です。

いかに既存回線を維持しつつ、光回線の敷設が厳しい地域は衛星回線を併用するなどの手段がとられてほぼ100%と言う状況で落ち着くとみています。

 

状況が大きく変わるのは、光回線のOEM化が始まる2014年10月以降の動きに大注目です。