後納郵便と集配業務の基本的な仕組み

自称日本郵便研究員のおおくすです。
さて、日頃から疑問(?)な後納郵便の仕組みについて、私見を交えながらご紹介。
これは、長崎支店をベースに説明していますが、他の支店も基本的には同じ流れをくんでいますので、多少のローカライズはご容赦ください。
37.3:800:600:350:263:郵便物の主な流れ:none:1:1:郵便物の主な流れ:
私の会社では、後納郵便を使っており、どういう場合に使うかといえば
1:緊急性を要さない郵便物(定期配送)
2:大量に発送する郵便物
3:消印を押さない発送をする場合
です。
逆に、消印が必要な場合は、必ず切手を貼って出す必要があり、いわゆる「消印有効」のパターンであれば、後納郵便を使う事は好ましくありません。
郵便物を発送する場合、トラブルが起きて、送達日数を重視する場合、どうしても考えなくてはいけないのは
「いつどのタイミングで郵便物を差し出したか」という事です。
すなわち、一日も早く郵便物を届けたい場合、いつのタイミングで郵便物が発送されるかを知る必要があります。
郵便物を後納扱いで行っている場合、配達日数が1~2日程度遅れる事はある意味織り込まなくてはいけません。
どうしても、当日発送を要請する場合は、午前中までに窓口へ持ち込む(いわゆる8-12消印)が絶対条件です。
この消印の郵便物は、原則当日中に発送する仕組みが組まれています。(通称:結束便)
当然ですが、後納郵便で集荷となった場合は、この結束便には該当しない為、仮に速達分が混じっていても、ポストなどの集荷便とは違い、半日~1日程度のロスが出てしまいます。
特に郵便物の消印はある意味「絶対的な証明」を持ちます。
切手+手押しの消印は勿論ですが、切手に代えて、郵便証紙を使う事があります。
証紙を使う理由は、機械的に日付を印字したもので消印を押す必要が無い点で大変、便利です。
後納郵便のメリットであり、デメリットは「差し出した日を隠蔽(言葉は悪いですが)する」事が可能な点です。
これは、仮に今日(2012年6月22日)に差し出したとお客さんに伝えても消印がない為、本当に6月22日に差出証明はきわめて困難です。(勿論差出人を元に調べれば、一応可能ですが非常に時間が掛かります)
847.8:2484:1743:350:246:NONALNUM-32303132C7AF3036B7EE3232C6FC3030BBFE3439CAAC3439C9C330303032:none:1:1:発送受付時の日付印:
1217.8:4672:3308:350:248:NONALNUM-32303132C7AF3036B7EE3232C6FC3030BBFE3439CAAC3439C9C330303033:none:1:1:支店が請求処理をした書類:
この2つの書類を見ていただきおわかりいただけますが、実際のパターンで行けば日付印で控えをもらっている書面は、私の会社が日本郵便の支店との協議の元作成してもらっている私製書類で、支店が発行している請求書類が本来還付される書面の一つになっています。
すなわち、この2点について申し上げれば仮に6月4日に差し出しても、配送証明に関していけば、実際は6月5日に消印発送しても、書類上は6月4日に取り扱ったとなり、数日のロスが出るのは当然と言わざる得ません。
つまり書面の作り方によっては6月3日に差し出したと言う書類を作成し、実際は6月5日に投函、発送は6月6日、事務処理は6月8日という時間差が成り立つのです。
これは、内部処理上の時間差アリバイのトリックですが、日本郵便が遅配等を起こす可能性は通常に窓口へ差し出し、切手を使って消印+領収証書を受領していればこういったごまかしはまず利きません。
逆に、こういったところまでを行った上で、遅れたとなれば郵便物には「消印」という証明が押印されている為、遅配になった場合は、日本郵便に対し相応の対応を求める事ができます。(郵便料金の返還等々については別として)
さらに、差し出しは領収証書で証明できる一方で、配達に関する証明はなかなか難しい為、現実は「簡易書留」を使う等、万全を期すのが相手に対する心遣いとして良いと考えます。
後納郵便は、通常郵便物と違い、配送時間の幅を持たせている「計画配送」郵便物に該当します。
これは、通常の業務において優先度がやや落ちる事を意味しますがその代わり郵便料金の割引がある、いわゆる「お得意様価格」という分類になります。
速達などの特殊扱い郵便物に関しては、「午前中配達便」を持っている区域は速達も同一タイミングで配送しますが、午後配達区域の場合は、速達のみ別便で配達する流れをくんでいます。
後納郵便は消印が押されない郵便物です。
消印が押されないと言う「メリット」と「デメリット」はしっかり見極め、特に「発送」に関する場合は、「消印」が第三者証明として重視されます。
たとえば、キャンペーンの応募などで、出す場合「消印有効」というのは、仮に8月31日消印有効は、本来なら8月31日の夕方まででないと、当日発送されないですが、24時間営業の窓口で差し出せば、8月31日の消印で受理します。
そうすれば、発送が9月1日になっても、なんら問題がありません。
ただ、現実は「8月31日必着」となっている事も増えており、「消印有効」といった使い方は残念ながらできません。
企業間取引においては、後納郵便の「消印重視」で出してしまうと、今回のように6月3日に出したと言う後納郵便の書類を提示し、実際は6月5日に発送、到着は6月8日といったケースが発生します。
必着重視で行けば、必ず「発送証明(領収証書)」できる窓口扱いをお勧めします。
たかが80円切手1枚ですが、この切手1枚を使って出すかださないかで、命運を分けるといって過言ではありません。
差し出しの併用をさらに応用するのは、「後納ポストイン」の活用です。
結束便に間に合わせる為には、最低でも午前中の窓口差し出しか、平日の1号便(主に午前中から午後1時頃の集荷便)に乗せる事が前提です。
長崎市内から東京都23区へ翌日届ける為には普通郵便なら午後3時頃発送する1号便搭載で翌日午後からの配送
速達扱いなら、1号便搭載で翌日午前中、最終便搭載なら翌日午後から夕方
※最終便受付が可能な時間帯
末石郵便局 ※午後4時(一般郵便局)
深堀郵便局 午後5時(集配センター併設局)
長崎中央郵便局 午後7時(支店併設局)
日本郵便長崎支店 午後8時(支店直営窓口)
配送品質を担保するならば、速達ですが、上記の様な配送便に乗せられなければ速達は何の意味もなしません。
当日発送で長崎支店荷受け分が深堀センタへ配達される速達の期限は、午後2時までに長崎支店へ到着した郵便物に限ります
※平成24年6月現在
長崎支店管轄の郵便局で午前中(結束便搭載郵便物)に集荷・受付した郵便物でなければ、当日の配達は不可となるのです。
その理由は、午前中集荷した郵便物を支店へ配送したあと、深堀行きの郵便物を搭載して、午後の集荷に行く流れの為です。
時間差トリックも時には大事ですが原則は「確実に送達される時間」を把握する事
この点に関しては、日本郵便へ尋ねればわかる事であり、我々一般ユーザが神経質になる事ではありません。
わかりやすい考え方として
翌日確実に届けたい場合は
(1)午前中(できれば11時頃が望ましい)までに郵便局窓口に速達で出す
(2)午後1時までに集荷するポストに速達料金を貼って投函。(郵便局窓口の集荷と同じサイクルで回る為)
と覚えておけば間違いありません。