コラボ光からフレッツ光へ戻す手順

コラボ光のトラブルが多いこのご時世、フレッツ光へ戻したいというお話は非常に多く、インターネット上の情報を読みあさっても、正しい情報がないのが現状です。

実はフレッツ光からコラボ光への切り替えは「事業者変更」という手法を行い、転用という手続きをへてコラボ光へ切り替えが進むという流れです。

しかしながら、一度コラボ光へ転用してしまうと、フレッツ光への転用はできない(いわゆる再転用)というルールが2019年6月まではできず、転用する場合は再度、契約(回線引き込み)を行う必要がありました。

しかし、2019年7月以降は、コラボ光のA社からコラボ光のB社へ切り替えあるいは、NTT東西への変更が可能になりました。

そこで知っておきたいことを整理すると次のようになります。

1)NTTからコラボ事業者へ切り替え後、手続きをキャンセルしてNTTへ戻すこと

2)NTTからコラボ事業者へ切り替え後、転用番号取得後にNTTへ戻すこと

の2つがあります。

1)はこれまで可能だった手続き

2)は2019年7月以降に可能となった手続き

と2つの方法があり、1)と2)では全く意味が異なります。

特に1)を適用する場合は、特定の要件を満たさないとできないルールとなっており今回は1)の件について事例を元に説明していきたいと思います。

コラボ光のキャンセルと再転用は一体に何が違うのか?

基本的に、転用キャンセルとは「原状回復」という位置づけとなっており、手続きとしては例外の方法となります。

2015年から始まった本件において、このサービスを適用した案件は片手ほどしかありませんが、手続きは正直申し上げて、至難を極める話です。

まず「法律に基づくクーリングオフ」とは事情が異なり、「誰でも」「無条件」に適用されることはないからです。

まず、このキャンセルを行うためには「コラボ光の事業者側の同意」が大前提となり、どうやって交渉するかということになります。

私の会社はそもそも「トラブル」を回避するためにどう対応するかを提案することを主にしていることから、このような話題は日常茶飯事です。

ではどうやったら事業者への同意を得られるか?という話になります。

まず第1の要件は

「契約の主体」です。

判断基準は申込状況を次の2点から判断できます
「A 契約者がコラボ光を利用する旨で契約」
「B 事業者側が契約者側に提案して契約したか」

まずAの時点でキャンセル不可です。当然ながら、クーリングオフの申し入れも原則として承認されません。

つまり、今回はBであることが大前提となります。

Bの場合は、様々な要件を確認する上で

  1. 実害の立証
  2. 主な内容
  3. 因果関係

を説明する必要があります。この点については、詳しく説明をするに当たって、立証する必要があります。

まず、コラボ光の回線は「ISP同梱型」と「回線単独型」の2つが存在します。

特に、ISP同梱型の場合は、例えばOCNのようなプロバイダがフレッツ回線を一緒に抱き込むパターン、あるいはドコモ光のように「フレッツ+OCN」の両方を抱き込むパターンがあります。

この場合は、目に見える実害がわかりにくいことから、実害の立証が難しくキャンセルを申し入れることは極めて困難と考える方が自然です。

電話営業・訪問営業で多いのは「回線単独型」の契約をしているコラボ事業者が多く、フレッツ回線にプロバイダ料金を合算している(いわゆるwithフレッツ)契約の場合、コラボ光に移行した時点で契約が解除になる仕組みです。

これが実害に関する立証となります。

因果関係は、同様に契約解除されたことによる「回線サービスの不具合」について

実は、withフレッツを利用している場合「PPPoE接続」が自動的にオフになる仕組みとなっていることから、解約後もPPPoEが使えない状況が続いていることはあまり知られていません。

(詳細は割愛しますがNTTのホームゲートウェイに特殊プログラムが配信され、自動的にPPPoEがオフになる仕組みになっています)

要件の一例として

  1.  withフレッツが解除になったこと
  2. インターネット接続の方法が変わったことによる不具合
  3. 1・2の理由によりコラボ光の営業提案内容に不備があったこと

要するに「営業提案がなければ実害は出ていない」と言うことになるのです。

これは単純な話でないため、粘り強く交渉するかないのです。

ここまで来ると、契約者と提供者の駆け引きと言わんばかりのことであり、法律に基づく「クーリングオフ」は個人契約のみであるとなります。

今回コラボ事業者の説明不備による問題は「クーリングオフ」以前の話であり、商取引として許される話ではありません。

この話をよく「説明不備」と言いますが、実際は事業者の回線ほど「コラボ光へ転用」ことによって実害が生じることが多く、入念な対応が求められることはあまり知られていません。

キャンセル手続き承認後の流れ

キャンセル手続きの流れとして

1 コラボ回線の解除に伴うキャンセル処理

2 NTT東西のコラボ光受付センターからの確認電話

3 キャンセル受付書類の発送・変更工事の手続き(およそ1週間)

の流れとなります。

キャンセル変更工事については、通常と違って本来の流れからするとまさに例外の手法であり、コラボ事業者としても行いたくないペナルティの手続きです。

キャンセル手続き完了後

回線工事が完了すると、NTTから「キャンセル手続き完了」の書類(通常の開通通知書と同じ文面)が契約者住所へ郵送されます。

その書類に、完了工事の日付が記載され、既存契約の内容が記載されています。

外見ではまったく状況が判断できないことから、書類上のお話になることもこの手続きの難しさを物語っています。

キャンセル手続きに関する契約者への課題

このようなことは、契約者に対し、同じ手続きは何度もできない旨を説明しています。

なぜならば、このような例外処理を幾度となく行うことは極めて不自然であり、誰得といえないからなのです。無論、契約者自身からSOSならまだしも、契約者自身が気づいていないことに本件の難しさがあります。

過去の対応した事例に共通していることは

電話営業による案内で言われるがままの手続きを行い、契約していることです。

契約後の不利益については提案者は責任をとらず不利益が発生したら提案者ではなく、保守である私の会社へ連絡という流れで「機器の不備=提案者」とつながらない点に根の深さを感じさせます。

またこのような事案があまり表面化していないことも、実際の話「元に戻せず泣き寝入り」していたり、実害に気づかず「そのまま使っている」というケースも後を絶たない事実もあります。

改めて私が申し上げたいことは、イレギュラー処理である「コラボキャンセル手続き」という方法は「私ならやりたくない」の一言に尽きます。

過去数回やりとりしたコラボキャンセル手続きに要した時間は数週間に及び1回の電話のやりとりは数時間に及ぶこともありました。

コラボ光からの再転用が認められるようになってから、契約に関する不備は減った一方、他の事業者も転用に関するハードルが下がったこともあり、拡販しやすくなったのではないかと見ています。

フレッツ光とコラボ光の善し悪しは、時流的に「個人はコラボ光」「法人はフレッツ光」の棲み分けにしているものの、私個人としてはどちらも「フレッツ光」で利用できるようにしておく方が賢明と考えています。

フレッツ光一択ということでなく、提供会社のプロパー(標準)で提供する

1 電力系

2 CATV系

3 NTT

4 KDDI

の4社がよくて、「NTT+プロバイダ」という旧来からの組み合わせは「面倒」かもしれませんが、サービスの責任分解点の観点から今でも大事ではないかと見ています。

NTTに限ったことではなく、コスパ重視で見るならば、CATVはかなり本命です。

ただし、電話サービスに関してはNTTが格段に上であり、他の会社もCATVとほぼ同等あるいは割高の傾向です。

トータルバランスで見るとNTTが一番とみています。

改めてサービスの難しさを垣間見たように思います。

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