2020年4月のある日のこと普段から懇意にしている先生から大村工業高校の民間講師(産業エキスパートセミナー)に関する相談を受けた。まさに青天の霹靂というべき話。
今回の登場人物
- 常連のお客さん(元高校の先生)
- 大村工業高校の先生(学科主任)
- おおくす(本人)
常連のお客さんから紹介して来店した大村工業高校の先生とセミナーの概要について説明を受ける。
しがない私を推薦いただいた事について大変光栄で身に余る思いとはこのことである。このときは、まだ全容が見えずなところだったことは言うまでも無い・・。
恐ろしい話を言えば、講演先の所属はかつて高校時代にお世話になった先生が在籍している事がわかり緊張感が走る。(高校時代の恩師の話)
最終的な決定に至らないだろうと思っていたのが正直な感想だった。今年はちょうど新型コロナウイルスの終息状況が不透明な中、外出自粛が続き、講演会自体がどうなるか全く見えなかった。
それから10月のある日、担当の先生から「正式に大村工業高校の民間講師の日程が決まりましたのでよろしくお願いします。」と学校長名の依頼文書が届く。
それから2ヶ月。最近のトレンドや定番の情報を整理し受講者である高校生の傾向を調べるために事前アンケートを実施。
人気が高いテーマを元に内容を精査することになった。話したい内容は、たくさんあるが独りよがりになると受講者側もうんざりするのは見えていた。今回は特に感じたことが「よりお得に」と言う意見が多かったことから「情報分析」に関するテーマを主軸に、時事問題を取り混ぜながらの構成にした。
幸い、クラス分けが3年生と1・2年生という構成になった事より、アンケートが多かったテーマをそれぞれ中心に行うこととした。
- 基調講演として「情報分析」に関する話。
- 専門的なテーマは「PCスマホの相場から見る事例分析」と「起業・トラブルの事案」
- ワークショップ「スマホ・デジカメ」の使い方
質疑応答の流れで話を組み立てた。
12月16日・17日 特別授業当日
高校生にわかりやすくという内容は非常に頭を痛めることになった。
特に、パソコンの選び方についてはメーカーの偏りが無いよう単純に比較できるところで比較対象と価格相場観を説明。
パソコンの価格帯は「高価格機種」と「低価格機種」の2つずつ取り上げ、選択に関する見立て方を説明した。
スマホについて価格でなく性能のバランスである事を説明。
講演の工夫として所々設問をおこない話の内容をアレンジした。一方的に話す事より受講者の反応を見るにはよい方法であり、何よりも一緒に参加するというのは大事だと考える。
後日譚
反省点は質問の出やすい話ができなかった点につきる。
もちろんタイミングや内容にもよるので仕方ない。質問がでなかったのは、話がつまらなかった・関心が持てなかったという事じゃないかと思った。興味のひかせ方が課題に思った。
1日目の代表挨拶の時、パソコンの話・スマホの話をそれぞれ触れたのは、非常によかった。
2日目の代表挨拶のときでた「スマホの一日の利用時間」に関する話が一番印象に残ったのが意外だった。
本件について私の見解はスマホの利用は、1日「4時間」を限度(生活習慣から踏まえ)とする点は最後まで悩んだ。
4時間という根拠は生活のリズムにおいて、余暇に充てる時間は社会人になっても1~2時間がよいところである。学生であればもう少し余裕がもてるのではないか?という事とスケジュール表を眺めながらこのなかで4時間が限度だと考えた。
- 23:00~7:00 睡眠時間(8時間)
- 7:00~8:30 起床・通学時間
- 8:30~16:30 就学時間(8時間)
- 16:30~19:00 補習・クラブ活動等・帰宅時間
- 19:00~21:00 夕飯・入浴
- 21:00~23:00 余暇・学習時間
そうなると、この中でスマホを4時間使うというのは「現実的に難しい」。睡眠時間を削ってスマホの利用に充てる事も考えられるが、逆にこの時間で4時間を捻出する方が工夫のしどころかもしれない。
また、私は勉強に使う場合は利用時間(4時間)にはカウントしない。と申し上げた。
これはLINEで宿題の情報交換をしたり、学習教材を使っている事を聞いたからだ。
現実として4時間スマホの時間に充てる事は相当な時間効率がなければ不可能であり、日々の生活に追われている高校生には到底確保できない。
この4時間という話は、日常の生活において目一杯4時間できるなら、土日の休みのときがくらいであり、平日は1時間充てられれば十分でないかと思う。
こんな話をして、睡眠時間を削ってまで4時間使うという人もいるかもしれない。逆に毎日4時間の余暇に充てるよりは「スマホをつかった4時間の勉強」にしたほうが親も文句は言えないだろう。
個人的には資格試験合格に向けたスマホ学習ツールを活用してほしいと思う。
私は、高校入学と同時にデスクトップパソコンを買ってもらった。約20万円ほどの中古であったが当時の自分には十分すぎるぐらいの性能だった。当時、高校の同級生で自分のパソコンを持っている人はおそらく皆無だったと思う。
その代わりと言ってなんだが、ポケベルとかPHSには全く興味がなかった。
あの頃はパソコンにずっと打ち込んでいた。そんな高校時代だったように思う。
高校生に向けて話した「資格を一つでもいいから頑張って取得して」というのは私が高校時代にできなかった自戒を込めてである。
高校時代にもらった賞状は皆勤賞ただ1枚。ジュニアマイスターといった華々しいものではない。人生の中で大きな影響を与えた学校だったことには間違いないと思う。たくさん心配をかけたので、なおさらである。
資格一つ取得しなかった自分を当時は責めた。
もっと勉強すべきだったと。
「超」勉強法における「パラシュート勉強法」における理論
唯一悔やまれることは、パソコン以外の事に目を向けなかった事だ。パソコン以外は何もかもが、おざなりだったという事。いまもこの件については取り返せてない。生涯学習のテーマだと思い、今後も続けようと思う。
大学進学してから国家試験である、情報処理技術者試験を受験し合格したのは自分にとって大きな自信になった。教員採用試験は不合格だったものの、教員免許状は必死に勉強して取得した。自分にとって胸を張って言える資格ではないかと思う。
今の自分の中にあるベースがこの頃できた。
今回、こういった経緯をどのように伝えることがよいか、ずっと悩んだ。事前につくった原稿を読み上げると2時間は優に超えてしまった。
話したいことはたくさんあった。難しすぎると混乱するので、思い切って話を絞って大きなテーマを据えた。
その中に細かいトピックスを加えることにした。
3年生については、「情報の見極め方」という話について
1・2年生には「起業とインターネットにまつわる事件」を中心に取り上げた。
後半では、それぞれ事前アンケートに関する回答を行い、質疑応答・機器の実演等をへて2時間が終わった。
文字で書くとあっさりしたものであるが、実際の内容はかなり盛りだくさんで、泣く泣く削った。
今回、私を推薦いただいた先生をはじめ、大村工業高校の関係者のみなさまに深く感謝申し上げます。
つたない話で、ポイントを十分伝えることができただろうかと感じつつ、長かった民間講師の任が終わった。
鉄板の話題を作るため今後も資料整理に励もう。
みなさんありがとう