このところ一番うんざりする話が、営業電話の類いに関する件
基本的に飛び込みで営業する人を断る事はまずしません。一通り話は聞いています。
しかし、連絡いただいた内、実に99%以上の会社が、自ら提案したにもかかわらず断念し帰っています。
その理由を申し上げます
みなさま各社提案する商品について、素晴らしいと思われている事でしょう。
しかしながら、その商品・サービスを採用するかどうかの動機は「提案者の人間性」が気に入ったから他なりません。
本来は、必要としていたところに、きちんとはまるという事のいずれかだと思うのです。
現実は
「オーバースペック」だけど、出来るサービスを網羅しているから利用する
「ロースペック」だけど、足りない部分はマンパワーで補う
であり、利用者にとって「ベストマッチ」というのは存在しないのです。
営業の方がなぜ断念するかその理由は
- 「自社がすでにシステムを構築している」
- 「提案する会社より自社が高度なサービスを持ち合わせている」
- 「競合サービスをすでに利用している」
- 「自社で利用希望するサービス・商品を持ち合わせない」
- 「現在利用するサービス・商品より品質が落ちる」
- 「現在利用中の料金より高くなる」
という事です。
あまりにも抽象的過ぎるので、最近の事例をいくつかご紹介します。
事例1)光通信サービス(コラボ光)
よく電力自由化・通信サービス多様化(コラボ光など)があり、この点におけるメリットは全くないのです。
NTT光回線の基本料金が5,400円に対し、とあるコラボ事業者はプロバイダ込みで月々6,900円です。
つまり、プロバイダを月額500円で契約すると、5,900円。
この時点で、すでにコラボ事業者が提供するプロバイダ料金はNTTの料金から算出すると1,500円と著しく割高である事がわかります。
この点から見ても決して安く無いという事がわかります。
どんな声高らかに「コラボ光がオトク」と叫んでもむなしくなります。
NTTありきではなく、NTTとコラボ事業者ではまったく競争にならないと言いたいのです。
それよりは、NTT+プロバイダという選択肢は良い方法と言えます。
もしも、これが高い!となれば、CTAVや電力系・KDDIを利用する事が十分競争力のあるサービスだと言えます。
事例2)電力小売サービス
こちらにおいては、電気料金が安くなるから便利だと言います。
しかしながら、このサービスにも落とし穴があります。
第一に、「電気料金の契約容量」が極端に低いと、そもそも申込対象外になるという事。
九州電力管内を例にとると「30A」以上の容量契約を行っている必要があります。
また、月々の電気料金も「300kWh」を越える必要があり、いわゆる「300kWh」未満の電力については、割引の対象外である事。
つまり、何でも安くなる事もなければ、誰でも申し込める訳でないのです。
私の店舗の電気料金は当然300kWhを越えます。
しかし、契約電力が15Aのため300kWhを越えてても申込自体NGになってしまうのです。
おかしな話です。
また、電気料金の支払い手数料が有料になったり、コールセンターがナビダイヤル(有料)になったりと、サービスの低下も甚だしく、メリットが非常に低いのもまた事実です。
一方、電気料金とネットをセット契約すると安くなるというのが、今の流行りです。
100円安くするために、100円以上のコストを掛けても致し方ありません。
事例3)クレジット決済サービス
手数料が安くなるという、触れ込みまでは正解です。
しかし、、、決済代行会社になると
「顧客」や「端末」、「決済」に関するトラブルが発生すると、決済代行会社が各カード会社へ連絡し、その後「決済代行会社」経由で連絡が来る仕組みです。
カード会社からすると、店子(たなこ)は契約者でないため、契約者である決済代行会社より連絡をしなければならず、非常に不便になります。
メリットは「決済手数料」が一般契約より「安い」というところです。
それ以外については、月間管理費が掛かったり、追加オプションが発生したりとトータルで見た場合に、メリットが出るとは言いにくいです。
私の会社において、契約したいと思わせる商品・サービスが残念ながらありません。
なぜなら「商品に魅力が無い」からです。
商品力を高めるにはどうしたら良いか?
「価格優位性」が第一です。
その上で、今までより高くなるけど契約する事があります
「経済的効果」となります。
経済的効果を判断する経営者に委ねられるところが大きく、その判断材料は残念ながらなく、商品を提案する営業担当者に依存するのも事実です。
どういうサービスなら利用するか?
基本的に「オトク」じゃないとダメです。
オトクのカラクリは、また次回お話しましょう