NTT代理店の巧妙な手口~株式会社ネットワークサービス

先日、保守管理を行っているマンションの住民から問い合わせが入った。
話によれば、ヤフーBBを使っていたが、速度が速くなるという事でNTTのフレッツに乗り換えると言う。
しかし、マンション内で光回線が利用できるらしいが実際どうすれば良いか?と言う内容だ。
実際問題、2003年1月に設備を敷設して、これまで通信回線の切り替え(100M→1G)、中継ハブネットワーク(100M→1G)と設備投資を行い、丸7年が経過。それでも利用できる事を知られてなかった。
http://flets.com/misc/adspeed.html
http://flets.com/misc/adspeed/check_04.html
この地域では
ADSLの損失は3.5km/37dB(デシベル)
4.7:829:558:350:236:blog10041201:right:1:1::
上記グラフから判断して、実測の目安は下り(データ受信速度)は約3~5MBpsであり、これでYahooより少し速くなると言う根拠には全くならない。
参考)
4.7:833:562:350:236:blog10041202:right:1:1:当社の場合:
この損失具合なら光回線にしなくてもある程度の速度は期待できる。
※下り20MBps以上可能と思われる。
仮に代理店の発言が正しいと仮定しても0.1MBps改善されるかどうかだろう。
一方で、このマンションで提供されている通信速度の平均は約80MBps。
(通信性能が最善の場合:270MBpsを計測)
パソコンの平均的な性能を考慮しても20~30MBpsは確実に動作しており、ADSLの0.1程度と比較しても雲泥の差であるのだ。
では、この代理店はなぜこのような事おこなったのか?
当初は光回線の営業だったという。
長崎地区で光回線が敷設できない地域は特別な事情が無い限り、ほぼ100%可能である。
しかし、このマンションはNGだったのはなぜか?
マンションなど集合住宅では「管理者=マンション管理組合(決してマンション管理会社では無い)」の承認が必要となり、賃貸の場合は間違って「不動産会社」に許可をもらうケースで承認となっているが、これは明らかな誤りである。
このマンションは分譲型であるため、管理組合の許可は当然必要となるが許可申請にあたる手続きは基本的に申込者ではなく、代理店ないしNTTが行うのが一般的で、この段階で許可が取れなかったと思われる。
そこで、この代理店は光でなく、ADSLの提案をすすめ切り替えを促した。
ADSLからADSLへの切り替えの場合は、いったんヤフーなどの事業者を解約したうえで、NTTなど新たな異業者に切り替える準備が必要となり、利用者は最悪1週間~10日使えない時間がでる。
私の会社へ相談がはいたのは工事の2日前の事。
すぐに現地へ向かい、相談者に対し、「申請書」「契約内容」をもとに手続き内容をアドバイス。
無事に工事差し止めと契約の白紙に持ち込むことができた。
私に連絡をする数日前から代理店に対し、問い合わせはおこなっていたというが、一向に連絡のはいる兆しはなく、結果として良かった。
今回は「工事前キャンセル」として事なきを得たものの、本当にこれが良い事だったのかはわからない。
今回問題を起こした代理店はつぎのとおり
「[g]株式会社ネットワークサービス[/g]」
被害報告その1
被害報告その2
このように全国的に被害者続出の企業であるにも関わらず、NTTの代理店を続けてる事は非常に問題ではにだろうか。
NTTの代理店手数料の相場は1件1万円~2万円と言われ、プロバイダを加えて合計3~4万円になる。
このような顧客を一人20~30人獲得できれば一人分の人件費は捻出できる上、面倒なやりとりはすべてNTTに丸投げであるから代理店はとにかく顧客獲得に動けば良いのである。
今回のように、代理店は「工事完了まで連絡しなければ、手数料が入ってくる」と踏んだと思われるが、実際に契約するのは「顧客とNTT」であり、損害保険代理店と異なり、代理店に契約締結権は有さない。
そのため、代理店が虚偽の申し込みをNTTに対しあげた場合は、当然顧客はクーリングオフをはじめとした消費者保護の権利をNTTに対し行うことが可能である。
今回のケースに限らず、契約後のキャンセルや工事完了後のトラブルは後を絶たず、今回のような当事者間で完了したケースは非常に幸運といえる。
工事完了後・支払い後に対するキャンセル対応は当事者間で解決できる話ではなく、消費者センターをはじめ、法律事務所(弁護士・司法書士など)に相談する事が望まれる。
金額に対する被害額が少額の場合は、消費者センターへの相談で解決することが多いが、それ以外の場合は、最悪訴訟問題に発展することも少なくありません。
このことからも、安易に契約はしない
<おわりに>
契約の際は、解約時に発生する「リスク」をしっかり認識することが何より大事だと思います。
このトラブルは今回に限らず多々発生しており、大変注意が必要な事といえるのです。
何かあれば、専門機関への相談とともに、一人で悩まないことです。

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