JPドメインは他国のドメインと違い、独特な方法で管理しているのが特徴です
COMドメインに代表されるgTLDは、ドメインの手続きを解除するDomainLockを解除する上で、Authコード(認証ID)を取得しなければいけません。
逆にいえば、この条件さえ満たせば、誰でも取得が可能になる事を言います
一方で、JPドメインの場合は、指定事業者制度を採用しておりhttp://jprs.jp/info/framework/
ドメインの変更権限は、指定事業者でなければ、いっさい関与することが出来ないルールです
昨日、解約届けが出ていないJPドメインの移転承認連絡が当社にはいりました
当然ですが「自動的に却下」しておりますので、大事に至っておりませんが
業者次第では「数度にわたり却下された場合」、苦情の問い合わせが入る事もしばしばあります
今回のような事例は、良くある話ですから
私の目から見ても、気の毒に見えてしまいます
では、なぜドメインの管理を厳密にしなければいけないか?
理由は「契約者におけるドメイン管理の保護」があるからです
ドメインの移転を行う際、自社所有でない場合でも、第三者が「HAMA.NE.JP」を移転希望としてあげれば、当社に「移転連絡通知」が届きます
もし、この作業を誰に断りも無く承認してしまった場合、ドメインに関する管理権は、私の手から外れてしまいます。
当然、メールを始めホームページもすべて「書き換えられてしまいます」
これが、いわゆる「ドメインハイジャック」です
過去にドメインハイジャックが発生しており、大事件に発展したことは記憶に新しい事と思います。
http://journal.mycom.co.jp/news/2005/08/10/024.html
http://www.pahoo.org/e-soul/privacy/atwork/atwork-015-01.shtm
こういった事故を防がなければ、サービスを引き受ける自分たちに責任がのしかかり、裁判や損害賠償請求を受ける非常に大きな問題に発展するからです。
過去にも、同様な事件が起きた際「なぜ、承認をださないのか?」と移転先の業者から、当社宛に苦情を寄せたケースがありました
私は「契約者から解約する申し出が無い。貴社が大企業であっても、当社の契約者では無い。だから承認は出来ない」と断ったのです。
つまり「自分の会社がでかいんだ。だから信用しなさい」って言うのは、横暴なものであり、名前で信用し、トラブルを引き起こせば、前述したことは確実に発生してしまうのです。
だれでも、***と言って、迫れば移転出来ればヤリタイ放題になるのは確実でしょう
それでは、本当に危険なのです。
この日誌をつけている現段階では、問い合わせもありませんし、解約等に関する事前相談もありません。
こちらとしては、「お客さんが他の会社に移転する」という事実は認識していても、それを「伝える」訳にはいかないのです。
これは「機密事項」にあたり、万一「お客さんが解約するつもりがない」にもかかわらず、「解約ですか?」とこちらから切り出してしまえば、予期せぬトラブルを招いてしまう結果になります。
先日から取り上げていますように、サーバの移転というのは、相当な知識を持って行わなければ生半可では出来ない事
その集大成にあたるのが、ドメインである事はあまり知られていません。
ドメインのトラブルは、過去にも嫌と言うほど見てきました
ローンの肩代わりにドメインを引き渡さない業者
紹介者が破綻したので、ドメインを失効させた業者
契約時におけるトラブルで、ドメインの引き渡しに応じない業者など
その事例は嫌と言うほど見てきました
私自身、トラブルの仲裁に入る事もしばしばあり、ドメインを移転する場合は、事前に先方業者へ対し、「**様から業務委託を受けた、大楠です」、「**日に移転を行いたく思うので、**社より申請がはいったら、承認お願いします」といった相談を行ってきました。
その際には「解約の書類が必要になるので、契約者に書いて返信するように」と言われたり、口頭で「承認」をもらったりと、事業者で対応は異なりますが、「承認が出るまでに時間がかかる」ケースを除き、やはり引受先の業者が、現管理会社へ対し、何らかのアクションを示す必要があると考えています。
ドメインは唯一無二で、世界にたった一つしかありません。
所有権も一つの事業者(個人含む)しかもてない為、慎重になるのが当然です
第三者(業者等)がお客さんのドメインに関する移転を行う場合は、必ず「契約者であるお客さん」から連絡をもらう様に義務づけています。
当社の場合は、「契約者本人からの電話」または、「書面による解約通知書」のいずれかで手続きを進めています。
その後、解約受領通知を契約者に対し、交付しそれから「ドメイン移転」に関する承認をだすようにしています。
JPドメインの場合は、事業者間のやりとりですが、COMなどの場合は、認証コードを通知書につけて交付している事が特徴とも言えます。
この流れについては、当社が特別「異常なほど神経質」かといえば、まだ「ぬるい方」だと思っています。
本当は、厳密な手続きを持って解約となるのが常ですが・・・・
いずれにしても、今回の手続きは携帯電話の「MNP」みたいなものです。
MNPを出す際には、「承認番号」を交付して、移転先で「承認番号」をもって手続きする事と同じで
承認番号に当たる部分が、当社では「お客様の移転に関する同意」を取る事の違いといった所でしょうか。
移転に関するプロセスの難しさをかいま見た今日この頃です